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2010-03-31 (Wed)
 日曜日の講演会、皆様お疲れ様でした~。
予定の時間を延長しての講演、楽しんでいただけたと思います。
(JRやバスの時間のある方には忙しい思いをさせてしまったと、あとで反省。ごめんなさいね。)

 「講演会のお知らせ」や最初の挨拶にもありましたとおり、録画・録音等を控えていただいたので なかなか全部を思い出すことは難しい・・・のは私だけではないと思いたい。^^;
私も準備の時点でのさし障りのない写真2枚だけとなり、全ての内容を書きとめることは無理でした。
前回と一部かぶっている部分もありましたので、
今回初めて大和先生の講演を聞かれた方には、前回の2007年の時の記事がありますので こちらも一読されると理解しやすいかもしれません。
 ただ どちらもこうしたネット上で流すには、個人情報に触れる部分や 素人の理解で誤った知識・情報を与えかねない心配があります。
以下の文章もあくまで私自身の感想と覚え書きが混じってますので、その点に留意して読んでくださいね。

バティパパ作☆ありがとー。20100328_P3280002-2.jpg


 冒頭、「ハエ噛み」といわれるCLの症状を起こしているボーダーコリーの様子が映し出されました。
初めて見た方はびっくりされたかもしれません。
先生も言っていたように「せつない」、大好きな飼い主さんのことを認識できなくなり(中には「できていた」と言われる飼い主さんもいます)、本能的な部分だけが最後まで残り、見ていることがつらくてたまらない・・・それが俗にCLと言われる病気のせつなさ、恐ろしさです。
飼い主さんの受ける精神的な苦痛、何の治療法もない病気で苦しんでいる子を見ているしかない数カ月を思えば、安楽死はけっして安易に求めたものでも責められるものでもないと思います。
発症すれば必ず死ぬ、それがCL症です。


講演はだいたい以下の流れですすみました。

・DNA遺伝子について
  ・セントラルドグマ(中心教義)とは
  ・犬と猫のゲノムプロジェクトとは
  ・遺伝子とは
・遺伝病について
  ・ライソゾームとは
  ・犬猫の遺伝病の実例
  ・自然災害か?人災か?
・成果と問題点 (このへん抜け落ちてます^^;)


 遺伝病は「レアだが身近なもの」というお話がありました。
人間も数千という遺伝病をもっているので、遺伝病を持っていない人はいない、つまり「誰もが遺伝病の原因を持っている」ということです。
この確率は 近親交配で上がります。
人間はそのへんを経験から知ったのか古くからの因習に絡めて避ける傾向を常としています。
(何かの本で、「狼は自然の中で生きている限りは近親交配を避けている」という記載がありました。そうしなければ種が滅びるという時には有り得るそうですが)
CL症は 常染色体劣性遺伝で受け継がれます。
優性だと顕在化しやすいので、動物の場合自然淘汰されていくのですが
劣勢という形は除いていくことが難しい。
CLアフェクテッドを出した犬舎のキャリア率は、JBCHNで公表されているキャリア率7.21%はお話にならないほどです。
純血種の交配はすべて人間の手が介在します。
そう考えるとこの病気は キャリアを持った犬が広めたのではなく人間が広めたものと言って過言ではないはずです。
(※近親交配じゃなければ確率は上がらないという言葉だけ捉えると語弊がある気がします。
厳密には近親交配 というよりも、キャリア遺伝子を持っているものが出会えば、が正解に近いのではないでしょうか。たとえ10世代、20世代かけ離れた犬でも、キャリア同士であればアフェクテッドが出ます。)
純血犬はそれだけ遺伝子プールが狭い、不自然な生き物であるといえます。
どうやっても元が狭い。
そこに更に乱繁殖といわれる無知が加わり、確率は一気に上がります。

 今回のお話を聞いていて、前回と大きく違っていたのは
繁殖・交配コントロールに 検査できる疾患のクリアのみ、つまり「オールクリア」の個体のみを使う という点でした。
(前回の記事を読んでいただければその違いに気づかれると思います)
私自身は、他の病気の危険性が上がろうとも希釈の法則は現実的でないと思ってきたので、できる検査を行ないクリアの個体を使うことに賛成です。
ただし、先生も言っていましたが、遺伝病というのはどんどん増える(わかってくる)ので、一体どこまで、終わりはあるのか、
また、(根拠になる数字を持たれているなら知りたかったのですが)オールクリアの子がどれだけ存在するのかという疑念は拭えません。


 前回の講演の時にも触れられていましたが、柴犬の遺伝病の検査のためチェコに行った時のお話をされました。
芝の上で行なわれた展覧会の会場では、たくさんの柴犬がノーリードでまったく喧嘩することもなく一堂に会していたそうです。
日本では考えられない光景だったとおっしゃっていました。
「何が違うのだろう」。
今の日本のペットショップでは、可愛い子犬でなければ売れないので早くに親犬から離されます。
「犬の臨界期(社会化期といわれるもの)は3カ月」とするなら、その時期以前に親から離してはいけない、これだけでも(親元に長くいればいるだけ)パピーミルと言われるブリーディングをしている犬工場では対応できなくなります。
(この社会化期については、必ずしも3カ月が正しいものかはわかりませんが、3カ月だろうと8週間だろうと、ショップのガラスケースに入れるべきものでしょうか。)

 先生が手にされていた「犬の科学」では、臨界期を3-12週令とし、
「第1次の社会的きずなの刷り込み時期」であり「犬同士の社会性及び人との関係性の構築」に大事な時期としています。
この「人との関連性」は、誰でもよく、週2回20分でも形成されるとのこと。

・・・実は私、一度友達から借りてこの本を読んだことがあるのですが、内容をスッキリすっかり忘れてますの(笑)


 大和先生は研究者としての立場からできるアプローチをし、
私たち一般の飼い主には、市民レベルで社会に対してできることを示唆してくれました。
また、その中で挙げられていた「飼い主さんに持ってほしい自覚」。
・「動物は命ある商品」であること
・流行に熱狂しないこと
・法外な価格の商品を買わない
・誇大広告には騙されない
・可愛い~は 愛護ではない

 どれも、(ほぼ)うなづけることですね。
特に2番目と4番目については、気がついている人も多いと思います。
2009年の登録数を見ると、トイプー・チワワ・Mダックスの上位3犬種で全体の54%を占めているそうです。
トイプーの年間10数万頭は異常な数ですね。
元の数は限られているところに、流行に乗って短期間で急激に数を増やそうとすれば、近親交配を含む無茶な繁殖がなされ、そこには遺伝病という悲しい現実が待ち構えています。
CLは、現在まで26犬種、日本では4犬種(チワワ・ボーダーコリー・サルーキ・ジャックラッセル)が確認されているそうです。
人気が出て急激に数が増えている犬種には 今後も遺伝病が確認されていくことでしょう。

 グレースは2006年秋にCL症キャリアという診断をされました。
キャリアであることは グレースにとっては何の意味もありませんが、そこから大きな意味をもった波紋が広がります。
犬の遺伝子の問題は、人間の問題、人と人との関係の問題です。
(ラインの公開にも相反する意見があるでしょうが、
私は本来公開できないものであってはいけない類のものだと思っています。)

グレースの子供たちを手放して2~3か月ほどあとに、初めてテレビでCLの症状を見た時、
それからキャリア診断を受けた3か月あと、前回の講演で映像を見た時、
クリアとされた6か月あとの今回・・・
自分の受け止め方が大きく違うことに、驚きました。
なんでかな って考えてみると、
グレースがキャリアかそうでないか ということではなく、
グレースの産んだ子供たちに発症の危険があるか という点が私にとっては一番心が痛いこと でした。

大変な病気を持って苦しんで苦しんで死んでいくかもしれない子たちを産ませてしまったことの責任。
その血をつなげてしまったことの責任。
どんなブリーディングであれ、責任は人間のものです。
どんな言葉で取繕っても 無知は罪。



 2時間の講演と、更に質問に1時間程度の時間を費やして、講演会は終了しました。
もっとたくさんの情報を教えていただいたのですが、すべてはやはり書ききれず、^^;
かなり端折った部分もあります。
その内何か思いだした頃にぽろっと書くかもしれません。
(まず思いだすかどうかというところが怪しい(・・;))

キャリア診断のあとから今までのことを考えると
グレースは、こういった縁をいっぱい持って私のところに来たんだなぁとあらためて思います。
けっこう重いんじゃないか?(笑)と思うんですが、
そこには更にいろんな人との出会いという豪華特典がついていました。


 今回の講演、最初及び腰だった私に電話の向こうで無言で圧力をかけたNikeパパ(笑)、ありがとう。
同じように相談に乗ってくれた周りの友人たちや、師匠、コビママ、マクジュママ。
小まめに声かけをしてくれたN訓練士さんはじめ、リンクを貼ってくれた方たち、貼り紙をしてくれたお店の方たち、遠くから応援メッセをくれた方たち。
それからきっと、ひっそりと応援してくれてた方たち。(笑)
この講演会に参加してくださったすべての方に。
ありがとうございました。

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