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2010-11-02 (Tue)
ボーダーを愛する多くの飼い主さん達にお伝えしたいことがあります。
とても長くなってしまって、途中で辟易するかもしれませんが、
どうか最後まで読んでいただきたい・・・とても大事なことです。


                                


繁殖者の中には 
どれだけお金がかかっても可能な限り自分の求める犬に近づけたい、
産まれてくる子たちが愛され、家族の光となり、
最期は穏やかにその命を終えられるように
せめてわかっている病気だけでも排除したい、

理不尽な痛みを背負わなくてもいいように と 願っている人もいると思います。


 人間が作り出した純血種。
人間の仕事を手伝えるように、人間に愛されるように、など
様々な理由から生み出された犬種は、その才能だけでなく姿形もスタンダードと言われるものに近づけるために 選択交配が繰り返されました。

そこから多くの遺伝病と言われる病気が現れはじめました。



 現在、日本ではボーダーコリー他、数犬種が CL症という不治の遺伝病を発症していることが確認されています。
10年ほど前には 亡くなってからの脳生検でしか診断できなかったものが、
今は生きているうちに口腔内細胞を採取するだけで検査ができるようになっています。


グレースを出産させたのが2002年7月。
その後 ネットを使えるようになり色々な情報を手にできるようになって、グレースの祖先にキャリアがいることを知りました。

 ブログを始めたのが2005年。
何度となく、CLについて、その危険性を知ってほしくて、記事を書いてきました。
どれだけの人の目に留まるか、その中で気にしてくれる人がいるかわからなくても、
書いて伝えてると思う以外、人間(私)が繁殖させた犬たちに対する責任を取る方法がほかにありませんでした。

2006年には 国内でCL症の研究をされている先生が、ボーダーコリーの遺伝子検査をしてくれることになりました。
それまでは 一部のブリーダーが海外で検査をしているのみで、
ほとんどのブリーダーはどれだけ交配させようと検査なんて受けていなかった。
それが、国内で、他より低い金額で検査をしてもらえることになった。
検査さえ受ければ遺伝子の変異はわかるのだから、何でもない子を繁殖に使えばCL症はあっというまになくなる。。
増やさない努力さえすれば、この病気が亡くなる時が来る と思える体制が整ったのです。


 しかし その後も毎年のように発症する子が出ています。
これを書いている2010年秋、簡単に検査ができるようになって4年経った今も、
今ある危険を知ってもらうために 同じ内容を伝えなければならないのが現実です。


2年前のものになりますが、こちらの記事→「CLキャリア 飼い主の想い」に、今、もう一度目を通してください。



CL症は無くなっていません。

何故でしょう。

犬は売れればいいので検査などしない繁殖者。
CLの名前も知らない繁殖者が 今でも当たり前にいます。
そういう繁殖者にとっては、「犬の質」などどうでもいいのです。
求められる犬種でありさえすれば 売れるのです。
たとえ病気の存在を知っていても、「大丈夫」と言えばお金になるのですから。
もちろん 売り物にならない商品は処分されることでしょう。

病気のプロとされる獣医さんでも 知らない人が今でもたくさんいるようなので、
「知らない」ことだけを持ち上げて 繁殖者を責めるつもりはありません。
(獣医さん達にはどうやったら知ってもらえるのでしょう?)

こういった繁殖でも商売になるのは、消費者がいるからです。
愛情はあっても この犬種が欲しいと思うだけで 他のことは考えないようにする。
うちの子は大丈夫だろう、うちの子には関係ないだろう、という消費者の無知、無関心を、繁殖者はあてにしています。



 CL症は、常染色体劣性遺伝という形の遺伝病です。
簡単にいうと、
病気を発症する子(アフェクテッド)、
発症しないが、その遺伝子を伝える子(キャリア)がいるということです。

キャリアとキャリアを交配させるとどうなるか。
4分の1の確率で発症する子が生まれ、
4分の1の確率で変異遺伝子を持たない(クリア)子が生まれます。
残りの2分の1がキャリアとなります。

かりに 一度の出産で8頭生まれたとすると、
2頭が発症、2頭がクリア、4頭がキャリアという確率です。


キャリアの子は 見た目はクリア(変異遺伝子を持たない)の子と何ら変わりはありません。
その為にこの病気は見えないままに存在し続けます。



4年前、遠くない将来 CLで亡くなる子がいなくなる日が来るかもしれないとちょっとでも期待したのは、やはり楽観的過ぎたようです。
犬を 商品として見る側に、何かを期待しても無駄なんだなぁと思います。
発症犬が出る恐れがあることを真摯に受け止める繁殖者もいるかもしれませんが、
同じことが繰り返されるのは、そうじゃない数がずっと多いからなのでしょう。
希釈の法則やその他の理由でキャリアを使っても大丈夫とされる意見もありますが、その繁殖者が次の世代の繁殖まで責任を持つことはありません。


それならば、できることは
求める側の私達が正しい知識を持つことに尽きます。
それは

・犬を買う時に、両親犬の検査結果を確認すること。

「大丈夫だよ」は、全く意味がありません。
ショップの店員やトリマーさんなど、知識のない人でも「大丈夫」と言います。
最近は立派なHPを持つ犬舎も多く存在しますが、そこに載っていることを鵜呑みにしないでください。
多くのボーダーの祖先にはキャリア犬が存在します。
どれだけ質問しようと、心ある繁殖者なら素人の私達が納得ができるまで説明してくれるはずです。
また、聞いたその場で買い求めず、自分でも調べてみてください。
一生を預かる相手です。
事実を見極める努力をしてください。

・この病気の存在を、これからボーダーを求めようとしている人に伝えること。
同じように「うちの子の子供が欲しい」と素人で繁殖を考えている人にも この状況を伝えてください。

私もそうでしたが、グレースを求めた頃、ある雑誌で紹介されていた犬舎のページには「ボーダーコリーにはCL症という遺伝病がある」云々、書かれていました。
当時の私にとっては それこそ「関係ないだろう」「滅多にないことだろう」「そんな病気の子を日本に入れるはずはないだろう」・・・だろう・だろう だらけでした。
純血種、チャンピオン犬、優秀なブリーダー、といった言葉はそれらすべてを寄せつけないものと 漠然と思っていました。
馬鹿ですね。
今は、グレースのおかげで少しはまともになったでしょうか。


日本のボーダーでCL症で亡くなった子は、今までにわかっているだけで30頭に満たないかもしれません。
そのほかに、CLとわからずに亡くなった子たちを入れても「たかだか数十頭」かもしれません。
でも 命は一人にひとつ。犬も同じです。

繰り返さないこと、伝えること、
私達、犬を求める側の意識が変わることが 
時間がどれだけかかろうと、苦しんで死んでいくたった1頭を救う近道だとしたら
できることをしていきませんか。





 
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