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2010-11-09 (Tue)
 CL症の生前診断ができるようになった時に見えた希望、
検査さえ受ければCL症で亡くなる子がいなくなる、日本のボーダーコリーからCL症という病気が無くなる時がきっと来るという願いは まだ願いのままなのが現実です。

キャリアを使わなければ 発症犬は出ない。
それなら繁殖に使う犬は必ず検査して、クリアの個体のみを使う。
そうすれば 突然変異がない限りあらたなキャリアは出ないし、発症する子もいなくなる。

とても簡単に CL症を無くすることは可能に思えます。

ところがこれには問題があります。
今目の前にいる子たちは、選択交配を繰り返されて生まれてきました。
血統書を見て あれ?と思ったことはありませんか。

3代祖前までに同じような名前が載っている、
調べていくと 何度も同じ名前が出てくる。

何かを求めて 同じ血を入れる、
それとも 何も考えないので同じ血が入ってしまう。
彼らはこうして作られ、同時にたくさんの病気を抱えるようになりました。
ボーダーでいうと代表的なのがNCL(CL症)、CEA、それにNCLよりもキャリアが多いのではないかと言われているTNS(日本だけでいうとどの程度なのかは不明です)。
この3種類は単一遺伝病(メンデル遺伝病)といわれるもので、環境要因に左右されません。
(HD=股関節形成不全は幾つもの遺伝子が関係している多因子遺伝病で、さらに環境も関係します)
現在この3種類は原因となる遺伝子が特定されており、検査で診断が容易につくようになりました。

2010年、犬全体では536の遺伝病が確認されているそうです。
Online Mendelian Inheritance in Animals (OMIA) 参照)

1年前にこのサイトを見た時には その数は500以下だったはずなんですが、今は536。

遺伝病はこれからもますます増えて(または見つかって)いくのでしょう。


 CL症を無くするために キャリア犬を繁殖に使わない、
これが純血種の狭い遺伝子プールの中でどれだけ影響のあるものなのか。
あらたな遺伝病、すでにわかっている遺伝病がどれだけ増えるのか。
見当がつきませんが、危険があることはわかります。

その危険を回避するのが「Dilution rule(希釈の法則)」です。
今まで何度も登場してきた言葉ですが、
キャリアを排除しない、ただしその時は必ずクリアとかけあわせる。
この組み合わせでは発症犬は出ないからです。
(2007年2月19日遺伝病講演会の記事を参照)

現在、この繁殖方法が出てきているように思えます。
(実際どの程度の繁殖数かはわかりませんが)

これでCLは無くなり、他にも悪い影響は出ない。


と思えたらいいのですが・・・ここでも問題があります。

 CLの遺伝様式を理解して クリアとクリアという組み合わせだけではなく、キャリアとクリアもかけあわせる。
そこで生まれた子供はキャリアが半分、クリアが半分。
8頭生まれたとして、4頭はキャリアなわけですが、
クリア同士をかければキャリアはゼロのところ、4頭出てるわけです。
この4頭はその繁殖者のもとで育てられるわけではなく、別の人の手に渡ります。
それは一般の飼い主さんだったり、別の繁殖者だったりするわけですが、
その人は CL症を知っているでしょうか。

ずいぶんCL症が知られてきたように思える半面、
CL症の事をほとんど知らない繁殖者はまだまだいると感じる場面に出くわします。
キャリアを繁殖に使うことでどんな結果が出るか、繁殖する人全員が理解しているでしょうか。
一般の飼い主さんの手に渡る時は、どんな説明がされているのでしょう。

 たとえばの話ですが
買う側が「CLは大丈夫ですか?」と尋ね、
繁殖者は「うちの子は大丈夫、クリアしてますよ」と言う。

買う側は 両親犬ともにクリアだから繁殖者がそう言ったと捉えます。
両親犬ともクリアなら その子供もクリアなはずです。
繁殖者側の言ってる意味とは違ってしまっています。
そして、クリアしているから「大丈夫」が、次の発症につながらないとも限りません。
キャリアを交配に使う時には その子に接する全ての人に知識があることが必要です。


ここしばらく、私のまわりでCLに関することがあれこれと持ち上がっていました。
最後にドーンっときた感じです。
どうしたらこんなつらい思いをする子を無くせるのか、
飼い主さん達が不安な日を送らなければならないのはなぜか、
どっちの方法がいいのか。

どっちも、こっちなら絶対に間違いない結果が出る といったものではなく、
正しいものにするかそうでないかは 人間次第。


 犬を求める時にできるのは やはり両親犬の結果を確認することだと思います。
クリアとクリアという証明書があるなら その子にキャリアや発症は考えられないでしょう。
もし片親だけのクリアの証明なら、その子はキャリアかもしれません。
どちらの証明もないのなら、クリア・キャリア・アフェクテッド・・・どれもあり得るでしょう。
血統書を見て、祖先犬にキャリア犬・発症犬がいるか。
それがどこかで止まっているか確認できるか。
確認できないとすると、その子にどんなことが考えられるか。
血統書には載っていないもっと先から その子の遺伝子は受け継がれてきています。
自分で調べてみる、確認する、
わからなくて不安があるなら 手を出さないという選択ができることを思い出してください。
ちょっと離れて 時間をおいて考えてみたらどうでしょう。


 先日のと今回の記事と。
今お伝えしたい事実からは ズレてしまっているかもしれませんが
発症犬を出さないために何ができるかをもう一度自分に問いかけてみました。
具体的な部分は省いているので読みづらいでしょうが、
ここを読んでくださった方それぞれが、なにかを感じてくれれば、と思います。



コチラでも血統書の持つ意味について書かれています
| CL症 | COM(17) |















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