12345678910111213141516171819202122232425262728293031
2012-01-23 (Mon)
 グレースと暮らしている中で、何かを選ばなければならない場面が幾度となくあった。
しつけの面、食事の面、生活の中で折り合いをつけなければならない面、もろもろ。
中でも病気に関しては、経済的なことも含めグレースにとって「何が一番必要か・どこまでするべきか」といった判断が必要だった。
定期的な検査のほかにも状態によって必要な(高価な)検査、一生飲まなければならない薬、飲ませたほうがいいであろうサプリ。
どれも悩みながら、できうる範囲で一番いいと思えるものを選択してきた。


あの日。
病院に着いたのが夜中の2時少し前。
倒れた時の状態とグレースの様子から、脳の発作が疑われた。
元となる病気を探すためのエコーで、脾臓と肝臓に腫瘍が確認された。

先生が色々話してくれてるのを聞きながら、
多分、グレースの残り時間は、あと1カ月もないのだろうと思った。


20120114.jpg



もう治らない。

もう、さっき倒れる前のグレースには戻らない。



 残された時間がどれだけかはわからなくても、
そのあいだをどう過ごさせるかの選択が必要だった。

まず、「手術をするかどうか」。できるかどうか。

手術は、寿命を少し延ばすことはできる。
しかし入院期間や体力の戻りなどを考えると、たとえ手術ができて成功したとしても、グレースにとって「生きてるだけの時間」を過ごすことになる。
もちろん副腎のことがあるので、グレースの場合手術をすることで命を落とす可能性が高い。
更に、病変は一ヶ所ではないので一部分切り取って終わり、とはならない。
手術は、そこだけを取って「はい、もう治りました」となるのでなければ考えられない。


抗がん剤治療をするかどうか。
癌によっては、効果にかなりの違いがある。
どんな種類の癌なのか確認のために針生検が必要だが、針を刺すことでそこから出血が起き、おなかを開けなければならなくなる危険がある。
これもグレースにとっては命取り。
また、抗がん剤治療は副作用の面からも、おこなう気になれない。


免疫増強剤を使う。
免疫増強剤は寿命を延ばすためのものではないが、種類によって気分が良くなるものがある。
これなら、最低限の負担でグレースに使える。
最初に2種類使い、使っている内に効き目がなくなるのでそうなったらまた別の種類に替えていく。
先生は、これで2年間生きた子がいたと言っていたが、そんなことは望んでいない。
とにかく残った時間を少しでもグレースらしく生きられるように。


止血剤は使わない。
現在の出血は、安静にして止まるのを待つ。
大きな出血が起きた場合には、薬を使っても止められない。

クリックで大きくなります20120114 (2)
           (スキャンした時曲がってしまった、見づらくてすみません)

血小板が1か月前に比べ、半分以下。
どこかで出血している。
赤血球の状態から、出血が始まったのは2,3日前と思われる。

20120114(3).jpg



脳の発作を抑える薬。

この判断は、即決することを躊躇してしまった。
これを飲ませると、ふらふらして酔っぱらったような状態になる。
多分、ほとんど寝たきり。
股関節の悪いグレースだと、歩く時に周りにぶつかったり排泄も困難になるであろう。
1カ月ほどで身体が薬に慣れてくるらしいが、それまでグレースはもつのか。
寝たきり状態で安静を保つことになるかもしれないが、それはグレースにとってどうなんだろう。。。

犬の脾臓や肝臓の腫瘍は、とにかく進行が早い。
できるなら、もう一度 車に乗せてあげたい。
脳発作も出血も、大きなものが起きたらそこでお終いになるのはわかってる。
それでも大好きな車に乗せて、それで大出血が起こっても、グレースにしてみれば本望じゃないかと思った。
失血して意識が薄れていくなら、苦しみは少ない。


まだ時間があると思った。
病院では 立ちあがってムサママにおやつをもらって食べることもできた。
発作のあとなのでフラフラしているが、数時間から一日くらいはボーっとしたり、どこかを見つめていたりといったおかしな様子が続くらしい。
しばらく様子を見て、発作がどの程度起きるか、それを見てから薬を使うか決めればいいと思った。


まずは免疫増強剤を頼んで、届いたらそれを飲ませていく。
あと1カ月、もしかしたら1週間、もしかしたら2、3日・・・かもしれないが、
それまでグレースが自分らしく生きられる時間を作ってあげよう。
それが今、しなければいけないことだと思った。
これから必要になるいろいろなものや時間の割り振りを考えていた。


でも、あれもこれも、考えていたことなんて なんの役にも立たなかった。


朝9時頃 2度目の大きな発作が起きてしまった。




先生は、その時間に痙攣を伴う大きな発作が起きたのなら、
あの時発作を抑える薬を飲ませたとしても、止められなかっただろうと言ってくれた。
本当かどうかは わからない。
私のことを思って、そう言ってくれただけかもしれない。


あの時すぐに薬を飲ませたら、もしかしたら。

ふらふらしながらも、今 ここにいただろうか。
そんなグレースを見て、薬を飲ませなきゃ良かった と、それも後悔していただろうか。


ぐっこ。

どうしたら良かったんだろうね。









| グレースが教えてくれたこと。 |