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2014-07-26 (Sat)
 今まで何度も取り上げてきたCL症ですが、
最近になってボーダーコリーと暮らし始めた方、今までCL症という病気にあまり馴染みのなかった方たちに、この病気を理解してもらうために記事を書くことにしました。
できるだけわかりやすく簡単に、要点をまとめたいと思います。

簡単にと言いながら前置きさせてもらいますが、
CL症は、あっという間に根絶できる病気です。
繁殖に気をつければCLを発症する犬を生みだすことはありません。


日本でボーダーコリーの発症が確認されてから、もう10年以上が経ちます。
日本で検査が受けられるようになってからは8年です。
なのになぜ、今でも発症する子が生まれているのか。
この点を考える手助けになるといいなと思います。





【CL症は遺伝病】

単一遺伝病(メンデル遺伝病とも言う)であり、常染色体劣性遺伝という形で受け継がれます。
環境要因には左右されません。


【CL症はボーダーコリー特有の病気か】

違います。
日本で最初に発症例が見つかったのはチワワで、ほかにジャックラッセルテリア、サルーキにも見つかっています。


【遺伝子検査の結果を理解する】

検査結果はクリア、キャリア、アフェクテッドの三つに分かれます。
クリアは、その遺伝子を持っておらず、
キャリアは、持っていますが表に出ることはありません、保因するのみです。
アフェクテッドが、発症です。
キャリア犬が発症することはありません。


【発症犬(アフェクテッド)はどうして出るのか】

キャリア×キャリア、つまりキャリア犬同士の交配によって出ます。
しかし、生まれた子達全員がアフェクテッドではありません。

クリアを○○、キャリアを○●、アフェクテッドを●●、と考えてみてください。

4分の1の確率で発症する(アフェクテッド)子が生まれ、
4分の1の確率で変異遺伝子を持たない(クリア)子が生まれます。
残りの2分の1がキャリアとなります。
つまり4頭で生まれた場合、1頭が発症、1頭がクリア、2頭がキャリアになる確率です。

キャリア×キャリア以外にもアフェクテッドが出る図式があります。
発症犬(アフェクテッド)を交配に使った場合です。
交配相手がキャリアでもクリアでも、生まれた子はキャリアかアフェクテッドです。

発症犬が使われるなんて~と思う方もいるかもしれませんが、
CL症の症状が出る(概ね1歳の誕生日を過ぎてから)以前に交配に使われることがあります。
症状は出てなくても、その遺伝子を持って生まれてきてるので、それまでクリアだっったのが途中でアフェクテッドになったり、キャリアになったりということはありません。


【キャリア×クリアの交配では?】

半分がキャリア、半分がクリアになります。
また、アフェクテッド×クリアでは、生まれる子すべてがキャリアです。


【どうしたら発症犬を出さずにすむか】

クリア×クリア、クリア×キャリアの交配では、クリアとキャリアしか出ません。
キャリア同士の交配、それと、アフェクテッドを交配に使うことを避ければ、発症するボーダーコリーはいなくなります。


【その為にはどうしたらいいのか】

遺伝子検査を受け、繁殖に使う子の結果を確認してから交配を考えるべきです。
また、その子の両親犬が間違いなく検査を受けているのなら、その子の結果もほぼ推測できます。
「多分大丈夫」は、大丈夫じゃありません。
全く意味を成さない思い込みです。

2006年から日本国内で、口腔内の唾液、または血液でCLの遺伝病検査ができます。
現在ではJBCHN(ジャパンボーダーコリーヘルスネットワーク)を通じてCL症研究者大和先生の他に、IDIDA JAPANやバイオス、カホテクノなど民間の検査機関でも行なっています。


【それ以外にできることは?】

ここからは私見になりますが、
検査は繁殖する前に行うべきなのに、現在流通しているボーダーコリーの多くは、未だに検査を行わずにお金の為に繁殖されています。
日本のボーダーコリー全体のこれからを考えて繁殖をしている人は、ごくごくわずかです。

何故、何も考えずに産ませるのか。
売れるからです。
なんでもいいから目の前にいるボーダーコリーに産ませれば売れる。
ブリーダーというには程遠い、“犬や”が繁殖をしています。

ある犬種のブームが起きれば、ブームが過ぎ去るうちにその犬種をどんどん産ませます。
求める側がいなければ、お金にならない繁殖は廃れます。


【CL症は根絶できる】

遺伝子検査ができるようになって、日本のボーダーに関してはCL症のファミリーツリーが形になっています。
しかし、遺伝病に無知・無関心な繁殖をする側と求める側が減らない限り、ツリーは成長していきます。
CL症は、出ると思ったところに出る。
予測ができます。
親から受け継いだ遺伝子がわかるのですから、受け継がせないようにすることもできるのです。







以上、CLの発症犬を出さないためのベースになるものをと思ってあげてみました。



今回は、「NCLの発症犬を出さないために」だけに絞って書いてみましたが、
他にもたくさんある遺伝病を考えると、単純にこれだけを考えて繁殖OKとするのは間違いです。

CL症が、TNSやCEA、PRAなど他の遺伝病に比べて注目されたので、
とりあえずCLの検査だけを受けて、「うちの子はCLクリアなので大丈夫です!」という繁殖家もいます。
大変浅はかで愚かしい、無知としか言いようがありません。

注) TNS・・・捕捉好中球症候群
    CEA・・・コリーアイ異常
    PRA・・・進行性網膜委縮



CL症及び遺伝病については カテゴリーCL症にまとめてあります。
わかりやすい、とは言い難いのですが、時間のある時にお読みいただければ嬉しいです。

また、JBCHNのHPにはボーダーコリーの遺伝病について医学的にも詳しく書かれており、CL症を正しく理解するために是非目を通していただきたいと思います。






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